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第21回 『ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ』ハウリン・ウルフ

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2014100800009_1 アルバム『エリック・クラプトン』の録音が終了したころから、ディレイニー&ボニー&フレンズは自然崩壊の方向に進んでいった。クラプトンの心をとらえたオーガニックな音とは裏腹に、ディレイニーには専政君主的なところがあったらしく、優秀なメンバーがつぎつぎとに離れていったのだ。カール・レイドルとジム・ゴードン、ボビー・キーズ、ジム・プライス、リタ・クーリッジは、リオン・ラッセルに誘われてジョー・コッカーの『マッド・ドッグス&イングリッシュメン』ツアーに参加。キーボード/ヴォーカルのボビー・ホイットロックは片道航空券だけを買ってロンドンに向かい(スティーヴ・クロッパーの勧めもあったとか)、3歳上のギタリストが暮らす館に転がり込む。

 こういった動きがデレク&ザ・ドミノスの結成へとつながっていくわけだが、その間にクラプトンは、興味深いレコーディングを残していた。ブルース界の文字どおりの巨人、ハウリン・ウルフをロンドンのオリンピック・スタジオに迎えて、《シッティン・オン・トップ・オブ・ザ・ワールド》、《ワング・ダング・ドゥードル》、《ハイウェイ49》などの名曲を新たに録音した『ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ』だ。

 発案者はチェス・レコードのスタッフ・プロデューサーだったノーマン・デイロン。69年発表の『ファザーズ・アンド・サンズ』でマディ・ウォーターズとポール・バターフィールド、マイケル・ブルームフィールドらを共演させていた彼は、「同じコンセプトでウルフも」と考えたようだ。クリーム版《シッティン・オン・トップ・オブ・ザ・ワールド》でのギター・プレイからも強い刺激を受けていたという。

 クラプトンは、チャーリー・ワッツ、ビル・ワイマン、イアン・スチュワートに声をかけ、還暦目前のウルフは片腕的存在のヒューバート・サムリン(オリジナル版の大半でギターを弾いた彼の参加はクラプトンが強く望んだもの)、19歳のハープ奏者ジェフリー・カープとイギリスの土を踏む。録音は1970年5月初旬の計4日。初日はチャーリー/ビルの都合がつかず、《アイ・エイント・スーパースティシャス》にはリンゴ・スターとクラウス・ヴアマンが起用されるというハプニングもあったが、デイロンの選曲とコンセプトに従ってレコーディングは順調に進んでいく。その後、スティーヴ・ウィンウッドのキーボード類とホーン・セクションなどのオーヴァーダビングをへて、『ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ』は完成した(発売は翌71年夏)。

 25歳になったばかりのクラプトンは、全編で、オリジナルの雰囲気を尊重しながらも、彼らしい繊細なプレイを聞かせている。気負うことなく、サムリンとのギター・コンビネーションを含めてセッションを楽しんだようだ。

 ハイライトはストーンズ版でも知られる《ザ・レッド・ルースター》。演奏がスタートしたものの、ノリがあわない。いったん止めさせたウルフが、あの低く太い声で細かく指示を出し、クラプトンが「それなら、一緒にギターも弾いてほしいと」と懇願するという微笑ましいシーンも収められている。

ページ制作にあたっての言い訳

まずもって、この個人作成のページは dot. に掲載されたものを、”無断(転載)掲載する記事”であることをお断りしておきます。
私は Eric Clapton のファンであり、1960年代より個人的趣味で音楽を楽しんできた一人として、非常に貴重な資料と思い私の拙いウェブサイトの一角に記したいと思い「無断転載」をしました。著者であります大友氏、関係各位の了承は得てありませんが、日本でも有名なロック・アーティスト … エリック・クラプトンを広く多くの方々の記憶に留めて欲しくてこのようなページを作りました。
非常に第1回〜62回と”長編掲載”になりますが、多くの方にお楽しみ頂ければ幸いです。

プロフィール

大友 博(おおとも・ひろし)
1953年東京都生まれ。早大卒。音楽ライター。会社員、雑誌編集者をへて84年からフリー。米英のロック、ブルース音楽を中心に執筆。並行して洋楽関連番組の構成も担当。ニール・ヤングには『グリーンデイル』映画版完成後、LAでインタビューしている。著書に、『エリック・クラプトン』(光文社新書)、『この50枚から始めるロック入門』(西田浩ほかとの共編著、中公新書ラクレ)など。

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